暮らしをしつらえる喜び—「しつらえ、くるくる市」
家具と器に宿る、時のエッセンス
「きもの、くるくる市」に続いて開催した「しつらえ、くるくる市」。
年月を経たからこそ生まれる味わいをもつ家具や器を、次に大切に使ってくださる方へおつなぎする一日です。
清水邸の家具が、駒沢住宅でよみがえる
会場は伊佐ホームズのモデルハウス 〈駒沢住宅〉 と併設の〈ギャラリー櫟〉。
ここに並んだ家具は、清水建設一族の故・清水夏雄氏が自邸のために誂えたもの。
レコード棚、書斎のデスク、キャビネット、そして椅子——いずれも上質な木材と丁寧な細工が光ります。

清水邸では本棚として使われていた「グローブ・ワーニック」のキャビネット。こちらをガラス食器を飾る食器棚として展示しました。

レトロなチェアは、アームレストの美しい曲線と経年のツヤがインテリアのアクセントにもなります。

勉強机として使われたテーブルは、裏側まで施された飾りや美しい曲線の脚の細工に、来場者から思わずため息がもれました。







「わたしたち家族を見守ってきた家具が、次の暮らしで新しい物語を紡いでくれる」——その言葉に、会場全体が温かな空気に包まれます。

画家・坂本勲さんの“使うための器”たち
家具とともに並んだのは、画家 坂本勲さんが半世紀かけて蒐集した器のコレクションです。
江戸初期から明治期のやきもの、漆器、ガラス器など多彩で、「眺めるため」ではなく「料理が映えるため」の選択眼が光ります。
「ガラス鉢には白いプレートやシルバーのマットを合わせると、器も料理もぐっと引き立ちますよ」と、坂本さん。
お客様からは、「お料理を器と一緒に楽しみたい」「大切に使います」といったうれしい声が続きました。
“しつらえ”がつなぐ過去と未来
家具も器も、手をかければさらに輝きを増します。
駒沢住宅という生活空間に置くことで、その魅力が自然と立ち上がり、来場者は実際の暮らしを想像しながら品定めを楽しんでいました。

大切に受け継がれてきたものが、新しい持ち主のもとで再び息を吹き返す。
今回のイベントは、着物・しつらえ・発酵料理という異なる切り口から、「時を超えて愛する」喜びを共有する場となりました。
これからも伊佐ホームズは、モノと人、そして時間をやわらかく結ぶ“くるくる”の輪を広げていきます。
次回の開催で、また新しい物語が生まれることを、どうぞお楽しみに。