2020年5月20日雑誌『家庭画報』6月号で「江川家住宅」をご紹介いただきました

伊佐ホームズ代表取締役・伊佐裕が、公益財団法人江川文庫の評議員を務めていることもあり、当社と「江川家住宅」は深いつながりがあります。
その江川家住宅ですが、このたび『家庭画報』6月号(世界文化社)の「続・日本の木造遺産」として特集していただきました。

掲載にあたり、当社顧問であり建築家の橋場保則氏に所感を寄稿していただきました。
掲載誌とともにお読みいただければ幸いです。

当社と「江川家」についてのご縁については、こちらの記事『「江川家」ゆかりの韮山反射炉が、ユネスコ世界文化遺産登録へ。』もご覧ください。

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「家庭画報6月号」の世界に誇る美しき伝承 続・日本の木造遺産に『江川家住宅(静岡県伊豆の国市韮山)』が掲載された。
近代建築史研究の第一人者であり、独自の縄文的感性で表現し圧倒する建築家・藤森照信氏が「江川家住宅」のすごさを解説されている。
また、木構造の権威である東京大学構造学者腰原幹雄教授の技術解説もある。

掲載写真の400年の時を超えて迫力を増す大屋根の小屋組み大空間もすごいが、注目すべきはなんと「江川家住宅」が、戦後「縄文と弥生」の造形文化論争で、芸術界の鬼才岡本太郎、哲学者で建築家の白井晟一、建築界の巨匠の丹下健三らに桂離宮批判に走らせた「張本人である」との藤森照信氏の解説である。
当時、平明で簡潔な美を日本的とする通説に対し、日本的創造としての和とは何か、縄文的生命力、自然への畏敬、創造力を「江川家住宅」に見出したのかもしれない。

藤森照信氏は「江川家住宅」にある土間とカマドは「縄文の証し」であり、「江川家住宅」が持つ「縄文的なるもの」は誰もが感じ取ることができると語る。
一つの民家が日本建築美の伝統論争を引き起こすほどの「江川家住宅」、訪ねて自分の目で確かめたい気分にさせてくれる記事である。
「江川家住宅」が民家として全国で第1号の重要文化財に指定されたのもその稀有な歴史性と空間力、神が宿る柱が縄文的パワーを感じさせるからだろう。

記事に概要があるが「江川家住宅」の36代、太郎左衛門英龍の幕末の活躍はすごく、大変興味深い。某局の大河ドラマ化されてもおかしくないほどの人物だ。
福沢諭吉と親交が深く慶應義塾に江戸屋敷を提供したことなどを最近知り、才知に優れた英龍像の足跡をたどりその功績を学びたいと思う。

ご存じの方もいると思いますが、伊佐裕社長は「江川家住宅」の評議員をしており、折に付け韮山に足を運ばれている。
この掲載を機に、「江川家住宅」の「縄文的なるもの」に触れる旅を伊佐ホームズの文化・環境ツーリズムとして実行し、その価値を共有できたら嬉しい。

伊佐ホームズ株式会社顧問/建築家
橋場保則

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