融通無碍なる家づくり

4素材

長く愛着のもてる
本物の素材を活用します
4 素材

私たちが基本とするのは、無垢の木材、漆喰、和紙、石、タイルといった日本で長く使われてきた素材です。これらは日本の気候風土に適い、時を経るに従って味わいが出てきます。

本物の素材を使いこなすためには、職人の技術が不可欠であり、その結果、メンテナンスをしながら長く使い続けることが可能になります。

漆や箱根細工といった伝統工芸や、欄間や床柱、手水鉢など古い家屋の部材、現代アートや工芸作家の作品を積極的に取り入れます。

スギ板張りの壁

《スギ板張りの壁》

埼玉県秩父産のスギ板。ここでは、2階のホールの壁に横張りにし、外壁のスギ板とつなげています、均一でない木目が空間を豊かにしています。床はナラ材。

手漉き石州和紙の壁

手漉てすき石州和紙の壁》

小判の和紙を張りつないで、ベッドルームの壁に。手漉きならではの風合いがあり、やさしく空間を包み込んでくれます。

晒し竹 柾割 引き戸

さらし竹  柾割まさわり  引き戸》

竹を縦に割ると、節が不規則なリズムをつくります。それを並べ、ガラスで挟んだ引き戸です。ここでは玄関ホールとリビングの間に用いており、ほどよい目隠しになっています。

絹シケ張りの天井

《絹シケ張りの天井》

長野県岡谷で絹を紡ぎ、福井で織り上げ、和紙で裏打ち。伝統的にふすまや表装に用いられてきた絹シケですが、ここではリビングダイニングの天井に張りました。微妙な光沢が上品です。

砂漆喰の壁

《砂漆喰しっくいの壁》

左官職人が現場で塗った、砂漆喰の壁。押さえた漆喰に対してうっすら凹凸があり、スギの板目とよく似合います。調湿の効果もあります。

箱根寄木細工のブラケット

《箱根寄木細工のブラケット》

種々の木材を組み合わせた箱根寄木細工を限りなく薄く挽き、シェードに仕立ててブラケットに。露木木工所四代目、露木清高氏に製作を依頼したオリジナルです。

白河石のアプローチ

《白河石のアプローチ》

強度があり、色合いも落ち着いているとして、古くから建築に使われてきた白河石。それを敷いたアプローチは、木を使った建物と調和します。

麻布漆塗りの壁

麻布あさぬの漆塗りの壁》

麻布を下地として漆を塗り重ねた壁材。織物ならではの風合いが深い色味を際立て、伝統的でありながらモダンです。リビングとダイニングの仕切りとして熊谷守一の絵を掛けました。

「田園都市の家」で使われている素材より
錫の板張りの壁
錫の板張りの壁

すずの板張りの壁》

日蓮宗本山 池上大坊本行寺貴賓室の床の間。壁に錫の板を張っています。熱した錫を型に流し込む際に生まれる模様は、1枚ごとに異なります。そこで、下部は大波が打ち寄せ、天井に近づくに従っておだやかになるよう配置。老いるに従って寛容になり、御仏に近づくという気持ちを壁に込めました。

「日蓮宗本山 池上大坊本行寺客殿」で使われている素材より