伊佐通信12号
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21 令和2年1月27日に伊佐ホームズ本社の前にある世田谷区立瀬田小学校からの依頼により、総合的な学習の時間の中で、SDGsについて授業「小学5年生と考える、持続可能な社会」を行いました。 SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年の国連サミットで採択された、2016年から2030年までの間で達成する開発目標で、下図のように17のゴール(目標)から構成されています。今回の授業は、林業のことを学んだばかりの小学5年生が対象でした。 伊佐ホームズは木造住宅を主流として、日本の美しい家の文化と先進性を約30年追究、洗練してきました。木造住宅はスギ、ヒノキを素材として多く用いるので、地域工務店は日本の森林、林業の環境に高い親和性を持ち、地域産業の中心的な存在です。授業では、その様な工務店が世の中に対して出来ることを伝え、子どもたちに将来携わる仕事を通して世の中に何ができるかを考える一つのきっかけになって欲しいと考えました。 実験、観察などを通して木材の持つ特性、長所を知ってもらい、また日本の林業問題を説明して地域の木材を正しく使用すること、木造住宅で美しい街をつくることが地域の林業を支え、地域の自然環境を整えることになるということを説明しました(目標11「住み続けられるまちづくりを」、目標12「つくる責任 つかう責任」、目標13「気象変動に具体的な対策を」、目標15「陸の豊かさも守ろう」)。 そして近年伊佐ホームズがはじめた「森林再生プラットフォーム」による木材流通を説明し(林業家、木材加工業との新しいシステムによる連携)、自分の立場だけではできないことを、連携によって解決できるということをお伝えしました(目標9「産業の技術革新の基盤をつくろう」、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」)。 その他、お客様との植樹活動(p20参照)や、その植樹活動のインストラクターに定年退職をされた方々を活用するなど、家づくりを通して我々が出来ることが様々なかたちでSDGsにつながることをお話しました(目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標4「質の高い教育をみんなに」)。木造住宅を建てることが様々な面で自分たちの周りの自然環境、社会環境のためになるということを、SDGs授業を通して知ってもらえればと思います。 世の人々はSDGsのために仕事をしているわけではありませんが、SDGsを旗印とし皆で共通の目標を達成しようと、自分の行動を鑑みてみることはいいことと思います。子どもたちには将来、自分の仕事の中から世の中にできることを考えることにつながって欲しいものです。 現在50年育った杉の木1本が取引されている価格は平均でたったの8000円程度です。授業で子供たちに聞いてみますと、「5万円」「15万円」などと答えていました。この不健全な木材価格の実態を、地域工務店の立場として、林業家たちと連携して産業のイノベーションを起こし、お客様に納得してもらえる価値に高め、日本の森林に貢献していきたいと思います。文 設計部主任 小柳雄平(平成18年入社)世田谷区立瀬田小学校で、SDGsの“出前授業”を行いました。社員レポート子どもたちに語りかける小柳。SDGs(エスディージーズ)の17の目標を示すアイコン講義に加えて、木材をなでまわしたり、プラスチックとの違いを考えたり、木目をルーペで覗いたり。質問コーナーでは、「家をつくるのに木は何本いりますか?」「政府から支援をもらえるならば何が良いですか?」「ふだん、何を大切にして仕事をしていますか?」など、鋭い質問がたくさん。子どもたちの元気と頼もしさに、私たちも勇気づけられました。★ YouTubeでこの日の動画が見られます。「小学5年生と考える、持続可能な社会」(世田谷区瀬田小学校)で検索してください。

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