祝!報告
11月吉日、施主の稲葉氏は本覚院本堂にて結婚式を挙げられました。これから増える新しい家族のためにも、ますます住宅の完成に期待がふくらみます。

稲葉邸の外観について当社・設計担当者は言います。
「稲葉邸が本覚院の裏側にあり、周囲から見えない位置にあるとしても、僧侶の住居としてふさわしい外観とは何かを考えました。一般論から言うと、武家は“ヒノキの柱に瓦屋根”というふうに、お寺には、ケヤキや杉の柱に銅板葺きという印象がありますが、本覚院の建物は本格的な桧皮葺(ひわだぶき)ですから、その佇まいに調和するものを考えなければなりません。そこで、屋根は硬質で耐候性のある金属板の平葺きを採用することにしました。屋根といえば瓦を連想する方も多いと思いますが、高野山は標高が高く寒さが厳しいため、雪が降って凍結してしまい、その氷で瓦が破損してしまうので使用に適していません。実際、高野山には瓦屋根がほとんど見当たりません。屋根こう配は本堂と平行に並ぶため、高さはできるだけ抑え切妻にして調和のとれる形にしました」
また、外壁についてこう言います。
「外壁のデザインは、建物の見た目を大きく左右します。色や柄(テクスチャ)など、自由に選択することができますが、今回は稲葉さんと打ち合わせた結果、本覚院の特徴である本堂の土蔵造りに関連づけて、漆喰を使って外壁を平滑に仕上げ、また出隅を丸く加工することにしました。色はもちろん“白”なので、周囲との調和も取れます。また、出隅を丸くすることで、外壁を厚く重厚感ある演出で土蔵のイメージを表現しました」
こうして、秋が深まる高野山の10月半ば、本覚院・稲葉邸も木工事の完了を迎え、いよいよ内装工事に入る前の木完検査の段階になりました。
![]() 金属板葺きの屋根 |
![]() 参考:本覚院の屋根部分 |

木完検査とは、木工事完了検査のことで、大工さんによる木工事が完了した時期に下地・養生・キズ・仕上り等の検査を行い、これからはじまる左官などの仕上げ工事に支障がないかチェックするものです。もちろん、木部が仕上げになっている箇所など、大工さんが仕上げまで行うことはありますが、基本的には、大工さんによる下地工事の終了を意味し、内装の仕上がりに大きく影響する大事な検査です。左官工事、塗装工事、クロス工事などの仕上がりの良さは、下地の精度と大きなかかわりを持っています。
今回、検査担当者によれば、工事をやり直す箇所はほとんどなかったといいます。良い仕上がりのためには、厳しく検査し、下地の段階で手直しを加えておくことは重要なことですが、今回の工事を担当した現場監督の橙さん、佐々木棟梁たちの腕前は確かなもので、仕事の早さと精度のよさ、チームワークの取れた仕事ぶりに検査スタッフとも感心させられました。設計内容、監督の指示、施工者の技術の3つがそろって初めて良い建物となることは言うまでもありません。
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![]() 棟梁の佐々木さん(右端) |
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![]() 大工さんによって仕上げられた 木の天井 |
![]() 検査の終わった箇所は、 すでに仕上げ工事が始まっている |
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11月吉日、施主の稲葉氏は本覚院本堂にて結婚式を挙げられました。これから増える新しい家族のためにも、ますます住宅の完成に期待がふくらみます。

( 第五回「第一期工事完了」へ続く )